『後藤真希 一般人向けバージョン』
前作「3rd ステーション」は様々な曲調を取り上げた全方位方の傑作だったのですが、
今回は驚くほど全体のイメージを統一したアルバムになりました。
象徴的なのはアレンジャーで、収録曲全10曲のうちなんと1、3、4、5、9と半数の5曲を
田中直が手掛けるという徹底ぶり。全体的に大人っぽい仕上がりですね。
トランスっぽくも抑えたアレンジの1はパンジャビMCを思わせるバングラビートを織り交ぜ、
ネプチューンズ風に隙間の多いポコポコしたウワモノとアタックの強いビートが耳を引く4や
クリスタルウォーターズあたりを思い出してしまうゆったりした90年代ハウス調の5など、
田中作品はなかなかレベル高く仕上がってます。
他にもスイングジャズにのせた7やカクカクしたリズムからサビでいきなり開放的に明るく
転調するAKIRA作の8も良いですし、ドラムレス(ビートボックスの刻みのみ)のストリングス
アレンジで雄大に聴かせるラストの10は個人的に鈴木Daichiアレンジで初めて心底良いと
思える作品になりました。
ハロプロに多少は認識のある人なら後藤さんがマイペースなのんびり屋なのは承知している
かと思いますが、ハロプロに疎い一般人にとっては「ちょっとクールでかっこいい」との
モー娘。加入当時の印象のままの人も少なくないでしょう。
これはそんなハロヲタではない外部の人間に向けて作られた作品のような気がします。
こういった層にアピールできる数少ないハロメンだった後藤さんがハロプロを抜けたのは
ほんとうに大きな痛手。ほとぼりが冷めたらなんとか復帰して欲しいものです。