森山直太朗の初の映像作品は、“60分一発録り”という前代未聞のコンセプトのもとで制作されている。収録されている8曲をノーカットで演奏、収録しているのだ。“生”にこだわり続けている彼らしい試みなのだが、こんなことは自分の演奏と歌に確かな自信がないとできないわけで、結果から言えば、彼は、このトライアルを見事に成功させている。
趣のある日本家屋のなかで、弾き語りとバンドセッションを使い分けながら、“その瞬間”にしか生まれない音楽を奏でる森山。リアルで生々しい彼のパフォーマンスには、見るものを惹きつけてやまない、抗いがたい魅力が宿っている。大ヒットを記録した「さくら」からインディーズ時代の名曲「街路樹」などを含んだ選曲も、彼の音楽性の深さを伝えていて、興味深い。「夏の終わり」のプロモーション・ビデオのディレクターズカット、さらに楽曲部分だけを収録したCD付き。それにしてもこの人、めちゃめちゃ歌がうまいです。(森 朋之)