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武田 双雲

「書」を書く愉しみ (光文社新書)

『誤字や誤謬が多すぎます。』
武田氏は「書」に関してあまりに浅薄な知識しか持ち得ていないことがよく分かる本です。概論もあまり分かっていないご様子で、そんな中無理に書道史を説いておられるので、誤字や誤謬のオンパレードで、初学者がこれをまともに学んでしまっては大変です。例を挙げれば、「甲骨文とは亀の(甲骨)?に文字を刻んだ云々」とか「殷代の金文は(神)?の名を記すものだけ」と言いながら図版に戦国時代の鉾銘を出したり、臨書についての意臨、背臨の認識の倒錯や、清朝の篆刻のカリスマ呉(謙之)?とかもう枚挙に暇がありません。ご本人は想像力が逞しくおありのようで、殆どが思い込みで書の歴史を適当にディフォルメして語ってしまうので、秦隷のことなどもうとっくに研究されていて答えが出ていることを、さもご自分が問題提起されているかのような書き方をするので、不勉強をわざわざ露呈してしまっているのが何とも気の毒になります。とにかくデタラメが多く、この本で一般に「書」の敷居を下げるのは大変危険です。あまりに間違いだらけで出版差し止めもやむを得ぬと思うほどです。しかし、書の学術方面も確りと学んで居られる善良な読者にとっては、間違い探しなどをしながらゲラゲラと笑って読める本なので好適かもしれません。

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