『イチオシ!!最高傑作だ!!』
現在に至るまで発刊されている室井氏の作品の中で、最も好きな作品が本書の表題作「血い花」だ。
なぜ、これほどまでに彼女の描く人物たちはいじらしいのだろうか。どうしようもなくいじらしく、そんな有様が私は愛しい。もう何度も読み返しているが、この作品の最後の一文を読む時、私は決まって涙してしまう。
室井佑月はいつだって、“噛む”女を描く。痛みを噛んで噛んで、これ以上成す術がないというほど、“噛む”女。しかしその裏側で、その痛みを感じ、涙を流さずに泣いているもうひとりの自分がいる。それでも、なお傷を与えるように、その痛みを見つめて描く。噛み締め過ぎた歯茎から血が滲み、それを呆然と見つめるような哀しさ。これが著者の本質だ。
「室井の作品はおもしろくない」と言う人がいた。そんな人は、この世の中で、生きることに何の生き辛さも狂おしさも抱えていない、不感症な人間だ。私には断言できる。