『全曲コラボの面白い箇所が見つかるプロジェクト』
Fairlifeの音の楽しみは、三人の音楽方向をオーガニックな良曲に絞り、そのロハスなPOPSを基盤とし、多彩なアーティスト達の声が聴けるということだ。一作品で複数の歌手が聴けるのはトリビュートやオムニバス等で見られるが、意図があり、また継続させる意思を持って各アーティストが結びついてゆくプロジェクトは珍しい。それが有機的だからこそ生れる音楽も新鮮だ。
浜省が岡野昭仁の声を指して「彼の裏表のない性格がそのまま表れているpureさ」という「永遠の友達」でfairlifeは始まる。モデラート程の心地よさに彼の明朗な声が乗ると春嵐の詞テーマはナチュラルになることを知るし、曲調は浜省+水谷らしい対象への緩やかな俯瞰を醸す。ちなみに同シングルは「国境なき医師団日本」「ピースウィンズ・ジャパン」「U.N.H.C.R.」へ第1回目に¥12,229,680を送金している。
元PPの岸谷香の声は相変わらず柔らかく明るかった。曲は「君に捧げるlovesong」にも通じる箇所も。「アイラブピース」はオールドR&R。色は『青空の扉』に近い。一方我那覇美奈の声のトーンはfairlifeの良心を担っているようで、リラックスできる。他方声のピュアといえば藤岡正明の声には驚かされた。春嵐は彼に女性詞しかも“Virgin”という難しいテーマを託している。彼のピュアな透明度だからこの質感を歌っていいのだろうし、逆に女性が歌うと生々しくなるかもしれない。また主観で押さない歌のバランス感こそいのちで、この歌手の聴き所だ。
「左手で書いたラブレター」は『ClubSurf&Snow』系。首里フジコはアルト声でアンニュイさと優しさがいいテイストになっている。「砂の祈り」は品の良さと経験値によるvo.がさすが。そして「木霊」は浜省の詞の世界に非常にリンクし、「君と歩いた道」等の名曲の域に近い。