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やまだないと

西荻夫婦

『西荻の2人』
結婚して夫婦になる、という事に対する受けとめ方、感じ方は人それぞれなんだろ
うけど、こういうのもあるんだなぁ、と思った1冊。

 一人になると二人を感じる
 よかった まだ わたしたちは他人だ…
                    作中より

恋愛の延長線上にある結婚生活もあれば、個人を尊重するそれもあると言うことだ
ろうか。いや、ちょっと違うか。この2人はお互いに依存しないでいながら、頼り合
っているのか。微妙な関係に見えるが、それは第3者の読者(この場合私)から見る
からなのであって、当人達にとっては自然に、息をするように当然のことなのかもし
れない。

夫婦2人でいることの自然さ/不自然さ、当然/非当然、安心/不安、?そんなも
の達を描き出している作品。2人は不自然さ、非当然、不安ってのをマイナス要因じ
ゃなくて、あって当たり前のもので受け止めている。ポジティブシンキングなんかじ
ゃなくて、自然に受け止めている。

 言えるのは。
 彼しか許してくれないだろうということ。
 愛情は日常。
 わたしが誰よりもわたしを選んで生きていることを彼にだけ許された気がして、そ
の時以来もう何年もわたしは彼と一緒にいる。この先も彼しか許してくれないだろう
と思う。
 このうしろめたさ。
                    作中、文章より

愛情が日常になるのならばそれは他では得がたい幸福だろう。「許してくれ」る人
と一緒ならばなおのことだ。それなのに後ろめたい気分になるのは、それはやはり伴
侶を一個人、人間、他人として尊重しているからなのだろう。

許しを求めている人は世の中にたくさんいると思うけれども、許してもらいたい事
(罪なんかじゃなくても)の種類によって救いは日常の中にある、という事を示唆
している。それに伴う後ろめたさ? 処理は、まぁ個人個人で。

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