戦争に自分の人生を奪われたと信じこむ酔っぱらいの父親、気の強い後妻、そして少年と弟の4人の家族。当たり屋で稼いで一家の生計をまかなう少年は、家族とともに日本中を渡り歩いていく。
大島渚監督が、実在の事件をモチーフにして日本縦断ロケを敢行し、ロードムービー仕立てで当時の日本の状況を鋭くえぐった問題作だ。タイトルの「少年」とは、大島監督がこだわり続けてきた主題の1つでもある。良心の呵責に悩みながらも当たり屋を続ける少年の姿を通して、生きることの残酷さまでもが描かれている。また、少年が雪だるま相手に正義の味方を空想するくだりは、幼さゆえの純粋性を象徴しているように思えてならない。(的田也寸志)