『アスリートの正直な感想、理想をぶちまけた一冊』
私は彼の郷里に住んでおり、陸上経験もあるので彼の様々な逸話をよく耳にする。
そこで思うのは彼自身も本書で述べているが(彼は)天才であり同時に分析に関しては凝り性であるということだ。そういった彼の姿勢に対してTVの人々は侍ハードラー等と名づけるのだろう(プレス側の稚拙な言い回しであるが)。本書はそんな彼の分析結果を彼なりの文体でさらりとまとめた一冊。
しかし、正直な話彼の分析結果の骨子であろう日本人はあと?速くなるというのは別段新しい話でもないし失礼な言い方をすれば別にあんたじゃなくともと言ったところで興味はそそらなかった。
それでも読んで欲しいと思ったのはやはり後半部分に記されている彼自身のヨーロッパのGPやGLに出場したときや世界選手権の時の気持ちの揺れ具合や黒人選手と走った時の率直な感想、やや妄想気味ではある(それでも徐々に人が動きつつあるが)が陸上をメジャースポーツにするための彼なりの明確な理想があるからだ。このような気持ちを言葉にして伝えることは他のボールスポーツと違い魅力に乏しい(わかる人にしかわからない)陸上競技では大変大切なことである。
一人の天才アスリートの情熱の息吹を感じ取って欲しい。